教員の紹介

専任教員

泉 真 由 子
研究分野 特別支援教育、病弱児教育、インクルーシブ教育
研究の紹介 専門は、特別支援教育です。学生時代は主に慢性疾患の子どもの心理・教育上の問題について、量的調査・分析法を用いた研究に取り組んできました。最近では、地域の学校における教育相談等での関わりを通して、慢性疾患だけではなく発達障害や様々な不適応状態の児童生徒やその保護者を、学校を含む地域社会全体でどう支援していくかに関心を持ち、量的・質的両側面から研究しています。
院生へひとこと 「特別支援教育」が始まって約10年が経過しました。「1人ひとりの子どものニーズに応じた教育」は広く知られるようになり、多くの学校で実践がなされるようになりました。そして次は「インクルーシブ教育」の実現に向けて動き出しています。日本において実現可能なインクルーシブ教育のかたちを、質的・量的の双方の研究的視点を持ちながら、大学院生の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
大 島 聡
研究分野 教育工学、情報教育
研究の紹介 情報教育、特に情報モラル教育を専攻しています。ネットがらみで様々な問題が現れてきて、この領域は現在の問題の核の一つだと思いますが、情報が得体の知れないもののように、情報教育も情報モラル教育も、得体の知れないものであるように感じてしまいます。授業ではこの得体の知れないものに、できるだけいろいろな角度から切り込んでみたいと思っています。
院生へひとこと 年をとって、頭も体もポンコツ度合いが進行しています。ツッコミどころは多いと思いますが、温かい目で見てお付き合いください。
倉 本 哲 男
研究分野 教育学(教師教育、カリキュラムマネジメント、レッスンスタディー、ナレッジリーダーシップ、アクションリサーチ、Ed.D)
研究の紹介 「教師教育の高度化・国際化」を主軸として研究に取り組んでいます。また「理論と実践の往還(融合)」の具現化を柱とした院生指導を重視しています。社会貢献としては、NITSをはじめ、各県教育センターでの講師、及び、研究指定校アドバイザーとして、カリキュラムマネジメント(カリキュラムの開発・経営)に携わってきました。今後は、Ed.dへの接続を見据えたアクションリサーチについて研究を進めていきます
院生へひとこと 教師は日々の教育実践の経験から無意識に「自分なりろん(理論)」を構築しています。その自分の中にある理論の意識化(見える化)を図ることが「理論と実践の往還(融合)」であるといえます。無意識に行っていた実践の骨組みである理論を知ること(アクションリサーチ)で,教師が研究することの意義を体感していただけると思っています。皆さんとの出会いを楽しみにしています。
髙 木 ま さ き
研究分野 教科教育学、授業研究、教材研究
研究の紹介 国語の教育実践を中心に研究をしてきましたが、現在は、教科等を超えて、あるいは教科等に通底する授業やカリキュラムの重要な核に興味があります。資質・能力の育成、主体的・対話的な深い学びはすべての教科等の指導に共通した構成要素があると考えます。そうした自覚を高め、同僚とともに伸びようとする教員の育成についても研究を深めているところです。
院生へひとこと 私自身、都立高校の教師でもありましたし、その後、小中高の多くの学校現場から学びました。教員養成・育成において、実践重視は当然のことですが、そこに埋没せず、より広い視野から、教育活動を俯瞰し、理論的に分析できる力の育成が大事だと考えています。そうした力が、実践力を高め、学級・学校経営の力を高めると思います。皆さんとともに、多くのことを学び合いたいと思います。
野 中 陽 一
研究分野 教育工学、教育の情報化
研究の紹介 教育の情報化に関わる教育実践や実践を支える教室のICT環境を対象とした研究に取り組んできました。諸外国と比較して教育の情報化が進まない日本の現状を分析し、普及のためのモデルや学校の情報化の状況を自己評価する学校情報化診断システムの開発も行っています。今後は、対象を初等中等教育だけでなく高等教育にも広げ、ICT活用、ブレンディッドラーニングによって深い学びを実現する授業デザインのあり方についても研究を深めていきたいと思います。
院生へひとこと すでに30年以上前になりますが、横浜市の小学校の教員だった私は横浜国立大学の大学院で学ぶ機会を得て、教育工学と出会いました。大学内での学びも貴重でしたが、全国各地の学校(最後には米国の学校も)を訪問して授業を参観したこと、学会に参加したこと、職種や分野を超えて多くの人と出会ったことが財産となりました。教職大学院のカリキュラムを通して学ぶことに加え、学外に積極的に出て学ぶこともお勧めします。何が学べるか、はあなた次第です。
渡 部 匡 隆
研究分野 特別支援教育 発達障害 応用行動分析
研究の紹介 自閉症スペクトラム等の発達障害の特性や、適切な指導や配慮の方法を明らかにすることに取り組んできました。そして、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校に在籍する発達障害児の効果的な教育実践のあり方について、学校現場と連携しながら考えています。また、学校現場において生じた児童生徒の行動的な問題の解決について、コンサルテーション等を通して教職員と協働して取り組んでいます。
院生へひとこと 教師には、自らの実践をことばにする力、根拠をもとに客観的に実践を振り返る力が必要と考えています。それらの力は、教育実践と振り返りを繰り返す中で育成されると思います。大学院でそれらの学びに取り組み、特別支援教育の発展に一緒になって取り組んでいきましょう。
脇 本 健 弘
研究分野 教育工学、メンタリング
研究の紹介 教師の成長や支援に関する研究に取り組んでいます。現場に貢献できる研究をモットーに、調査・開発・実践などあらゆる研究手法を用いて学校現場の問題解決に資する研究を心がけています。教師の成長を促す職場環境や関係性、経験はどのようなものなのか、調査により明らかにし、それらの知見をもとに研修やツールの開発に取り組んでいます。これまで特に若手教師の支援(メンタリング)に関する研究を行ってきました。最近ではミドルリーダーや管理職の成長に関する研究もすすめています。
院生へひとこと 大学院で得られることのひとつとして、現場をメタに見られるようになることがあると思います。具体的には、「自分たち(の関わる諸々)」について分析的に捉えられるようになり、現場を科学的に分析できるようになることで、現場の改善の提案が行えるようになります。日頃の教育実践をより多様な視野で捉え、良くしていきたいという先生がいらっしゃいましたらぜひ大学院に来て下さい。
石 塚 等
研究分野 教育課程、教育行政
研究の紹介 教育課程、学習評価、教育行政を専門領域としています。新しい学習指導要領においては、育成すべき資質・能力のとらえ方、アクティブ・ラーニング、カリキュラム・マネジメント、学習評価の充実が大きく注目されています。こうした改訂の趣旨を学校の教育課程の中でどのように実現していけばよいか、教員養成・教員研修はどうあるべきかについて取り組んでいます。
院生へひとこと 教育を取り巻く課題が複雑化するとともに学校への様々な社会的要請が一層高まる中、よりよい教育活動を実践する力や組織をマネジメントする能力が重要となっています。教職大学院での学びが学校現場での実践に役立つよう力を尽くしていきたいと思います。
小 松 典 子
研究分野 学校マネジメント、学校教育行政、教育課程
研究の紹介 これまで社会科を中心とした授業研究に取り組み、育成すべき資質能力を明確にした授業の在り方について研究してきました。
現在は、教育行政の立場から、複雑化・多様化した学校現場の課題を解決していくための「チームとしての学校」を支援するために、学校・地域・行政の連携、教職員の育成、危機管理、内部統制的な分野について、意識を高め取組を進めているところです。
院生へひとこと 学校現場では、目の前の対応で明け暮れてしまう中、これからの社会を考えると、常に先を見ながら学校全体を俯瞰して、教育活動に携わることの必要性を強く感じています。其々の課題を意識し、理論と実践の往還が図れる教職大学院での学びの時間は、とても貴重であり、かけがえのない宝物になります。きっと、課題も違う見え方ができるようになると思います。その貴重な時間を共に創りだせるよう、一緒に歩みを進めていきたいと思います。
名 執 宗 彦
研究分野 特別支援教育、学校経営
研究の紹介 特別支援学校学習指導要領に基づいた学校現場での教育課程の整備に取り組んできました。ここに示されていることを様々な実態の子どもに伝えるには、授業やその他の場面で具体的にどうすることなのかといつも考えています。また最近は、重度の知的障害のある児童生徒がいる通常の学級における、インクルーシブな授業づくり・学級づくりに関心を持っています。
院生へひとこと 学校で毎日忙しくしていると、クラスの子どものこと、同僚のことなど気にはなっていてもなかなか取り組めないでいることがたくさんあると思います。教職大学院は、午前中はアクティブに講義に参加しながら、午後は定期的に学校にも行けるといったちょうどいい距離感の中で、気になっていたことに関われる環境にあります。私も自分の経験を生かして、そのお手伝いができればと思っています。
松 原 雅 俊
研究分野 教育課程、学校経営、教育行政
研究の紹介 美術科における学習者中心の学習指導を研究してきました。現在は、教科等横断的な視点を踏まえて教科教育の改善を図るためのマネジメントに研究の重心を移しています。学習指導要領改訂のたびに語られる「学習者の主体的な学び」を有効に実現し、児童生徒の資質・能力を育むためには、研究体制や組織を支える教職員の育成、教育行政の立場から学校を支援する指導主事の育成といった諸課題のつながりを捉え、様々な角度からアプローチを図ることが必要であると考えています。
院生へひとこと 子どもたちが未来を生きる力を育むため、教師がその本来業務である学習指導を効果的に進められるようにするには、授業や教育課程の研究はもとより、児童生徒指導、インクルーシブ教育、保護者・地域・社会との連携、校内人材育成などを含めた総合的なマネジメントが欠かせません。教職大学院での皆さんの研究は、これら全体の関係を俯瞰し、自分の強みを生かすには、どこから風を吹かせるかを考えることから始まると思います。学校組織の現実への理解を深め、一緒に課題に向き合っていきましょう。
小 池 研 二
研究分野 美術科教育学
研究の紹介 中学校を中心とした美術科教育を研究しています。特に国際バカロレアプログラムの美術教育を調査しており,我が国の美術教育に生かすことができるかを研究しております。現在は,探究的・概念的な学び,教科横断的な学び,私たちの生活とつながる美術,美術館との連携による美術鑑賞教育などについて考えています。
院生へひとこと 私は,東京都の公立中学校,国立の附属中学校で教員として現場にいました。現場では日々苦労の連続でしたが多くのことを仲間と共に学びました。それが現在ではかけがえのない私の財産になっています。中学校でも,できるだけ教室から出て美術館や地域の人たちと連携できるような授業を考えてきました。これからも皆さんと美術に限らず様々なことを考え学んでいきたいと思っています。
物 部 博 文
研究分野 学校保健、学校健康教育、保健科教育、健康科学
研究の紹介 学校における健康教育、体育科・保健体育科における保健等の授業を中心とした学校における効果的な教育実践について、多くの学校の授業研究、教職員支援機構や教育委員会での指導者講習会等に関わってきました。また、それら実践の基礎となる児童生徒の健康や安全に関わる行動や環境等についての研究を進めています。
院生へひとこと 教育現場で生じている課題の背景には、児童生徒の生活習慣の乱れや健康や安全にとって好ましくない環境が存在しています。これらを整えることによって、児童生徒が落ち着き、より学習へ取り組むようになると考えています。みなさんが実践的な課題を発見し、それに取り組むことによって、少しでも教育現場を変える力になることを期待しています。
和 田 一 郎
研究分野 理科教育学、学習環境デザイン
研究の紹介 小学校、中学校および高等学校の理科授業デザインについて、理論と実践の両面から研究しています。理科における子どもの科学概念の構築過程を、学習科学などの成果を基軸として理論的に解釈し、さらに授業実践による検証を通じて、具体的かつ機能的な授業デザインの視点や方略の開発を推進しています。特に、最近は子どもの自律的な理科学習を促すための方略について、協働学習やメタ認知、自己調整の立場から検討しています。
院生へひとこと 私は,10年間ほど中学校および高等学校にて理科教師として勤務し,その後,大学の研究所で7年間ほど現職教員の研修プログラムの開発や,それに基づく研修会を企画,運営する仕事をして現在に至っています。中高一貫校での教師時代には,中1から高3までの6年間,持ち上がりで担任を経験し,子どもの多感な成長過程に寄り添うことができたことは,教師人生におけるこの上ない財産です。
そうした経験の中で感じていることは,実務とそれを客観的に捉えるための理論の重要性です。子どもの学習や発達に対して機能する優れた実践には,何らかの理由や視点が隠れています。それを一緒に解き明かしてみませんか。自分の実践の価値はどこにあるのか,それはなぜか,逆に課題は何か。子どもの未来を形作るために,教育活動の質を高める議論ができればと思います。

連携教授

大 内 美 智 子
研究分野 教育学(総合的な学習、校内研究マネジメント、学校経営・学級経営)
研究の紹介 これまで理科・生活科・総合的な学習等の授業を中心とした効果的な教育実践のあり方について、多くの学校の授業研究にかかわりながら研究をしてきました。また、教師の力量を高める指導力・授業力向上のための授業研究のあり方やよりよい教育課程を実現していくための校内研究・研修のあり方について考え、学校全体を活性化していくための組織マネジメントについて研究を進めています。
院生へひとこと 「教育は人」当たり前のことですが、教育は一人ひとりの教師によって一人ひとりの子どものよりよい成長を促すことによって成されます。このとき教師は様々な視点で力量を備えていることが望まれます。私は長く教育現場で優れた授業や指導を実現するための研究に取り組みましたが、いつも幅広い視野を教師が持つことの大切さを感じてきました。また、学校の教育は一人で担うものではありません。大学院では、個人の力を高めることはもちろんですが、次代を担う子どもたちの成長を育む教育のあり方や学校組織のあり方を捉え直し、自分のさらなる可能性を見いだすことができると考えます。
水 木 尚 充
研究分野 生徒指導、学校危機管理、学校経営
研究の紹介 現代の学校は、複雑化、多様化した課題を抱え、これまでの教員の経験や専門性だけでは課題解決が難しくなっています。安定した学校運営を維持し、教育活動の質を高めるためには、様々な課題の発生を予防し、発生した課題に対しては迅速・適切に対応する力が求められるようになっています。生徒指導を、望ましい成長・発達を促す側面と顕在化した課題を解決する側面から捉え、健全育成力、課題解決力を高める指導体制や組織づくりのあり方を探っていきたいと思います。
院生へひとこと 公立中学校の教員として、教育行政職員としての経験から目の当たりにしてきた、学校が直面する様々な課題とその課題解決に取り組む教員の努力を皆さんと共有し、学びを深めていきたいと思います。

客員教授

望 月 隆
研究分野 教育の情報化
研究の紹介 教育の情報化 研究の紹介 学校における教育の情報化の推進に取り組んでいます。ICTを効果的に活用した授業の在り方や、子どもたちが学校の中で身に付けるべき情報活用能力などについて研究をしています。また、学校現場に寄り添いながら、ニーズの高まるプログラミング教育や情報モラル教育などについても取り組んでいます。
星 野 留 美
研究分野 特別支援教育
研究の紹介 教育相談を通して、様々な困りを抱えた子どもたちや保護者、教職員の支援に取り組んでいます。また、教育相談コーディネーターを核とした校内支援体制の構築や、関係者の協働によるチーム支援を推進しています。特別支援学校のセンター的機能を活用した、地域の支援教育の充実について研究しています。インクルーシブ教育や子どもの多様なニーズに応じた教育実践の在り方についても研究を深めていきたいと考えています。。
柳 澤 尚 利
研究分野 教師教育
研究の紹介 教員の資質・能力の向上のためのメンターチーム等の校内人材育成や教員研修の推進に取り組んでいます。今後さらに多様化する教育的ニーズや、教員を取り巻く環境の変化等に対応するための、校内人材育成や学校組織、教員研修の在り方を研究しています。学校組織マネジメントを活用した学校の組織力を推進についての研究もすすめています。

ページの先頭へ